2022年度 理事長所信
(一社)久留米青年会議所
理事長 藤島勇馬
Passion To The Future
~一人ひとりのゴール~
【はじめに】
私たちはより良い変化を与える人になる。
青年会議所だからできることは必ずある。
行動することこそがLOM益となる。
青年である私たちは「明るい豊かな社会」の実現を理想とし、同じ理想と使命感を持つ若い世代の人々を広く集め、個人の修練や自己啓発を行い、社会への奉仕を行っています。そして、それらを支える力としての友情があります。JCの事業目的は「社会と人間の開発」にあり、家族や会社、JCの仲間はもちろん他団体や市民の皆様を含めた社会に、私たちはより良い変化を与える人にならなくてはなりません。社会を構成するのは個人であり、その中において良い変化とは、私たちがこれまでの経験や学びから人の考え方に変化を与えることだと考えており、同時にそれは私たち個人の経験や学びに共感できる人が増えるということだと考えます。
2020年より新型コロナウイルス感染症が私たちの社会に大きく影響と不安を与え、社会では生命の安全を守りながら経済の活動をすることで変化の時代に突入しました。JCも同じく活動自体に影響を受け、これまで人を集め対面で開催していた活動や運動ができなくなりました。感染対策を行いながらコロナ前の日常に戻ることを望み早くも2年という月日が過ぎましたが、私たちはこの災害から何を学んだのか、誰しもが日常に戻ることを望むだけでいいのでしょうか。そもそもJCは1949年9月3日に「新日本の再建は我々青年の仕事である」として立ち上がり全国で産声をあげた組織です。今私たちのやるべき仕事をどれだけの会員が見えているのか。もちろん自分の一番近くの人や企業を大切にしなくてはならない気持ちは理解できますが、今の自分の身の回りだけしか見えていないのであれば、恐らく未来は描けていないはずです。福岡・九州・日本・国際というフィールドから、久留米では災害・青少年・地域・伝統を考え未来を創造する。私はこんな時代だからこそ、JCだからできることが必ずあると考えます。
JCI久留米には議案書があり、事業ごとに計画議案を作成しています。理由は2つあると考えます。一つ目は会員の会費で運営している団体ですので会員から集めた会費を使用するのに有効なのか審議するためです。二つ目はJCにはミッションとして青年により良い変化を与えるために発展・成長の機会を提供するとあるように、変化を与える人材となるべく個人の成長の機会とするためです。会員から理解と行動を起こしていただく重要な計画書であり、周囲により良い変化を与えるべく、調査から始まり広報や準備と当日の運営に情熱をもって行動して、初めて対外の方の共感を得ることができます。
新しいことをやればたくさんの課題も出ます。だからこそしっかりと計画段階から行動し、情熱をもって挑戦することが大切で、結果としてその行動を第三者が共感することこそがLOM益に繋がります。
【TRAINING+SERVICE=FRIENDSHIP】
JCI久留米にはJCの基礎を学ぶ委員会としてアカデミー委員会があります。この委員会は入会1年目のメンバーで構成をされ、入会理由は様々なメンバーにJCの理想や使命といったJCで必要なことを学び、JCI久留米や社会で活躍できるリーダーを育成する歴史ある委員会です。これまで先輩方が立ち上げから繋いでこられた久留米市民オーケストラや有馬押太鼓と、歴史を学び自らが事業に携わることで伝統を引き継ぎます。そしてJC運動・活動においての基礎である議案を学び理解します。まずは背景である事業をなぜしなくてはならないのかを理解し、何を達成するという目的のための最適な手法なのか考えて欲しい。全く同じ考えの人間はいない中で共に行動を起こしてもらうためには、共感することが難しくとも理解してもらうことが必要です。青年の学び舎として、個人の修練と地域への奉仕を重ねてプラスすることで友情を育んでい
きましょう。
【未来を描く】
2020年の始まりから新型コロナウイルス感染症の影響により、ニューノーマルという言葉を耳にするようになりました。これまで対面でできたことができなくなり、JCI久留米もリモートを活用して会議をし、運営をしてきました。2021年度にはグループウェアを導入し活用することで、効果的な情報の共有というものを取り入れてきました。もちろん対面でできるのであれば対面で、ということもあるでしょう。しかし、私たちは外的要因をただ待つだけでいいのでしょうか。対面でできるまで何かを言い訳に活動するのではなく、しっかりとコミュニケーションを図り、自分から情報を取りに行き変化を起こすべきではないでしょうか。2年後には70周年という節目を迎えます。どのように私たちが70周年を迎えるべきなのか。単年度制にしてはならないことがあるということを会員が理解し、その先の未来を見据え、技術だけでなくハートの面も成長していきましょう。
【久留米市民間団体のプラットフォーム】
久留米には地域の未来を考え行動している団体が数多くあります。その年その年で事業での交流や、災害が起きた際には物資の受け入れなどで協力しながらお互い活動をしてきました。明るい豊かな社会を目指すJCI久留米は、いまこの久留米のまちに何ができるのか。私は団体の枠を超え、各団体の強みを生かしながら協力関係を結んで行く必要があると考えます。有事の際、いかに事前準備ができているのかが、久留米を良くしたいと願う全ての団体に問われていると考えます。中核都市久留米だからこそできる行政と民間団体の大きなネットワークを、様々な業種で様々な立場の会員がいるJCが構築し、持続可能なまちの未来へ向け行動を起こして行きましょう。
【持続可能な仕組みを創る】
2021年の梅雨時期には私たちの住まう九州北部地方では大きな水害はありませんでしたが、8月には警戒レベル5の大雨特別警報、緊急安全確保が発令され、全国的に見ても局地的な集中豪雨の被害に見舞われる地域もありました。2020年からの新型コロナウイルス感染症の感染状況も災害レベルの非常事態と言われる中で、個人での支援だけでなく組織だからこそできる支援活動があると考えます。この地域の課題を私たちは自分ごとに捉え、未来を見据え行動をすべきであり、JCI久留米メンバーだけでなく多くの団体や市民を巻き込み、より効果的に発信していく必要があります。有事が起きた際に対応するのではなく、日頃からの準備が必要です。先ずは現状を客観的に見るだけでなく、この地域を良くすべく、青年だからこそできることにチャレンジしていきましょう。
【無限の可能性】
2015年より台湾のJCI新北との交流を始め、相互に行き来をしながらの交流と、2019年にはJCI久留米の65周年式典にお招きし友情を育んできました。近年、新型コロナウイルス感染症の影響によりリモートでの交流を行ってきましたが、今後交流を続けるのであれば友情だけでなく何か共通の目標が必要ではないかと考えます。そして、2022年はJCI ASPACが大阪のJCI堺高石の地において開催が決定しています。エリアB(アジア太平洋地域)のJCIメンバーに私たちの住み暮らす地域をPRできる、サイコーの機会です。これを契機に今一度地域を振り返り、久留米を自分たちの行動で発信することと、JCだからできる国際の機会を、このような状況でこそ臨機応変に掴み、目的を見失わず計画し行動していきましょう。
【あたりまえのアップデート】
私たちはJCI久留米に入会すると同時に福岡・九州・日本・世界まで活動フィールドは広がっており、JCI久留米の一員であり、JCIメンバーです。地域の課題だけでなく世界の課題までも共有し、解決に向けた活動をしている出向者を支援する必要があります。地域では行政や関係団体と連携していく上で対内的な発信と対外的な発信を行い、情報を共有し一人でも多くのメンバーが当事者としての意識を持たなくてはなりません。JCの全ての行動・活動・運動はアウトプットが必要だと考えており、インプットができてもアウトプットができなければ自己成長はおろか、JCI久留米に共感できる仲間や協力者は現れず、身近にいる人の理解も得ることはできません。出来事だけをそのまま伝えるだけでなく、戦略的な発信をすることで組織のブランド力を向上していきましょう。
【組織マネジメント】
JCは会議を行うことで社会の課題を見出し、解決策を生み出すべく、どのような運動をするのかを決めます。その土台として常任理事会議・正副理事長会議・理事会があります。会議も時代や状況に合わせて非対面でのWEBを活用することは一人ひとりの限られた時間を有効活用できる手法ではありますが、WEBであっても厳格な会議運営と効率的な議事進行は最低限必要なことであり、活動や運動が止まらぬように臨機応変に工夫する必要があります。土台を運営だけでなくJCI久留米の横並びをリードし、総務委員会こそが誰よりも情熱を持って取り組むことでより強く効果的な事業や運動を構築していきましょう。
【JC運動の根幹】
規則と財政やコンプライアンスは組織運営をしていくことや、JCI久留米が存続していくための必須の条件であり組織の根幹ともなる重要な戦略です。規則とは自ら作成したルールを守り、財政とは効果的にみんなのお金を使用する計画になっているのかをチェックすることです。計画段階から規則と財政やコンプライアンスのチェックを行うことは、効果が高い事業を行っていく上で必要不可欠であり、常任理事会議・正副理事長会議・理事会前に確実に審査することで、会議の質も向上していきましょう。
【必要なことを必要な時に】
2022年も運動を行うにあたり多くの外的要因があり、数か月後のことでさえ予測ができない状況です。このような状況であっても明るい豊かな社会を目指し活動をしている私たちは、外的要因からくる課題に臨機応変に対応しながら運動や活動することで、私たちから柔軟に変化し、発信をすることが必要だと考えます。組織が若くあり続けるために、単年度制の中で活動をしている私達だからこそ今何が必要で、行動することで何が得られるのか。結果にこだわっていきましょう。
【おわりに】
JCI久留米は1954年から地域にとって必要な事業や運動を行い、青年が情熱を持って歩み繋いできた68年は、未来へ繋ぐ必要があります。これからも社会の課題に対し、私たちはどうアプローチするのか。一人ひとりが今の不安や不満をエネルギーに変え、主体的に当事者意識を持ち行動することで、明るい豊かな社会の実現へと繋がります。最後に、日本で最初にできたJCであるJCI東京の設立趣意書を理事長所信の結びとします。
1949年9月3日「新日本の再建は我々青年の仕事である。更めて述べる迄もなく今日の日本の実情は極めて苦難に満ちている。この苦難を打開してゆくため採るべき途は先ず国内経済の充実であり、国際経済との密接なる提携である。その任務の大半を負っている我々青年はあらゆる機会をとらえて互に団結し自らの修養に努めなければならぬと信ずる。既に欧米の各地においては青年商工会議所が設立せられ、一九四六年にはこれらの世界的連絡機関としての国際青年商工会議所さえ設置せられておる。われわれはこれ等の国際機関との連繋は素より、青年の持つ熱と力とを以って産業経済の実勢を究め、常に認識を新たにして、その責務の達成を期したい。ここに政治経済の中心地、東京に在る我々青年はその使命の極めて重大なるを思い、同志相寄り東京青年商工会議所の設立を企図した次第である。」